antwarp

What you can read

nagasaki vol.5

2019-03-28 Thu 22:29

 

今回最大の目標である軍艦島。その昔本屋で写真を見てからいつか行ってみたい場所として心の片隅にあった。

 

 

そのうちテレビやネットでも度々取り上げられるようになり、世界遺産になったこともあり、メジャーな観光地になった。上陸は現地のツアー会社に申し込んでクルーザーに乗って向かう。天候によって上陸できる日とできない日がある。

 

 

なんと雨だった前日は午前午後ともに欠航していた。この旅を決めた時点では2日目に行くつもりだったので、変更して運がよかった。それでも出発前に、波が高いので上陸するかどうかは船長の判断と言われていたくらいだ。

 

 

事前にネットで調べて、値は張るが実際に軍艦島に住んでいた人がガイドをしてくれる会社に申し込んだ。ツアー前にデジタルミュージアムで島の歴史をざっくりと頭に入れ、優先搭乗でクルーザーに乗り込む。ガイドの話を聞きながら1時間弱船に揺られると、廃墟の島が見え始めた。

 

 

デッキに出て撮影タイムとのことだったが波が高く、捕まっていないとスマホを落としそうだった。個人的にはなるべく人が写り込んでいない画を撮りたかったんだが、非常に難しかった。

 

 

ドルフィン桟橋に着いていよいよ上陸。観光できる場所は3箇所で、それぞれのポイントに止まっては話を聞きながら写真や映像を撮る。残念なのは、島の外周部分からしか見ることができないこと。倒壊の恐れがあるため、島の内部や建物が密集しているところには特別な許可がないと入れない。

 

 

すると、どうしてもツアー参加者の写真は似通ったものになってしまう。あまり知られていない場所や多くの人が見落としがちな風景を撮りたかったので、あちこち見回したり、姿勢を低くしてみたりするのだが、どこもかしこもカメラを向けられていた。

 

 

そんなわけで、撮影としてはこれだと思うものが撮れなかった。ただ、歴史としては興味深いし、他にもこんな場所がないだろうかとロマンを抱かせてくれる。

 

 

ツアーから戻ってきてもう一度デジタルミュージアムに足を運んだ。実はVRで立ち入り禁止区域を体験することができ、これがなかなか楽しい。また、当時住んでいた人たちのインタビュー映像などもあり、ネットの情報の中には真実でないものも含まれていることが分かった。

 

 

最近よく思うのだが、歴史に残るような体験をした人は、ぜひとも自分の記憶を記録に残して欲しい。映像や録音が身近になった今では、個人レベルで昔の体験について証言を残すことができる。そういう証言がたくさんあることで、何が真実で何が歪曲されたものなのかが判断しやすくなる。今ボクたちの周りで起こっていることも、いつか後世に違う切り取られ方をされ、誤った解釈をされてしまうかもしれない。今が仮に過ちの多い時代だったとしても、できるだけありのまま捉えてもらいたいと個人的には思う。

 

 

その後グラバー園、大浦天主堂などを見て回る。長崎の景色は昼間もいい。ちょうどグラバー園から街を見ていた時に14:46を迎えた。その日は3月11日、東日本大震災の時間だった。黙祷のアナウンスがあり、湾内の船が一斉に汽笛を鳴らした。初めての経験だった。

 

 

長崎は鎖国時代唯一開かれた港だっただけに教会やキリスト教関係の施設が多い。隠れキリシタンの話なども興味深かった。そんなに大きくない都市ながら、キリスト教・原子爆弾・軍艦島など近代日本において重要な土地で、見るべきものがたくさんある。スイーツから海の幸・中華までの食べ物や夜景もあり、ほとんどの人がどこかに引っかかるのではないかと思う。

 

 

開かれた港という土地柄か、接客などを見ていても観光地特有の厚かましさがなく、オープンマインドな印象を受けた。ボクの中ではかなり好印象な街だ。

 

 

今回の旅で一番印象に残ったのは苦労して登って眺めた鍋冠山からの夜景だ。もう一人では行きたくないが、これを読んでいる人にはぜひ一度見てみて欲しい。できれば一人で心細くなるところも体感して欲しい。

 

 

最後にオススメしたい旅を書いておく。大きな都市もいいが、自分なりのテーマを持って旅先を決めること。歴史・文化・食・景色・そこに住む人など、複数のジャンルに渡って興味をそそられる場所がいい。そういう旅をすると、少し考え方が変わったり、広い視野が持てるようになる気がする。

 

〜おわり〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

nagasaki vol.4

2019-03-24 Sun 19:13

 

鍋冠山の展望台についた。360度見渡せる、新しくて立派な展望台だった。

 

 

人生で一番美しいと思った夜景はニューヨークの夜景だったが、長崎の夜景もそれに負けないくらい素晴らしかった。東京の夜景ではそれほど感動しなかったのに、ここでジーンときたのは地形によるものなのか、ここまでの道のりによるものなのか。小雨が降り続けて寒かったがしばらく佇んでいた。

 

 

その間2,3人のグループが何組か車で来ては帰っていった。徒歩で上ってくる人は全くいない。こんなに立派な施設なのに、なぜか徒歩の道のりは暗くて寂しい。同じ道を歩いて帰るのがすごく嫌になって、誰か車に乗りませんかと声をかけてくれないだろうかと思った。夜中に見ず知らずの人に車に乗せてくれと言えるほどボクはファンキーではない。

 

 

いろんな角度から夜景を撮ったあと、仕方なく来た道を戻った。遠足は家に着くまでが遠足、という言葉を思い出した。見るものは見たが、下り坂で滑ってこけたらやっぱり気持ちがくじけそうだった。

 

 

途中で曲がり角を間違えたようで、来た道と違う舗装された小道に出た。戻るのも面倒なので、下る方向に歩いて行けば行き着く先は同じだろうと考えた。10分ほど歩くと見覚えのある道に出た。どうやら行きにハードなルートを通っていたらしい。

 

 

とても美しい景色だったし、苦労した分感動も大きかったが、また登りたいとは思わない。車があれば行ってもいいが、歩いては絶対に行きたくない。そんな場所だった。

 

 

ホテルの近くまで戻ってくると、歩き疲れてお腹が空いたので、まだ空いている店を探した。レモンラーメンが有名な店が開いていたので入った。とんこつベースだがレモンの酸味で後味がさっぱりしていた。

 

 

しょっぱいものを食べると同じくらい甘い物を食べないと収まらないので、今度はカフェを探す。深夜までやっているくつろげるお店で感動やら恐怖心を整理して寝たかった。

 

 

チーズケーキが絶品と評判の店を見つけて行ってみた。店はバータイムになっていて常連の客で埋まっていたが、隅っこのテーブルでお茶してもいいか聞いたら、お一人でもよろしければどうぞと案内してくれた。先程のラーメン屋にしろこのカフェにしろ、長崎の店員は独り者に優しい。観光客慣れしている街は、親切にしなくても客が来てお金を落としていくので接客がよくない印象があったが、長崎は違うようだ。

 

 

チーズケーキは評判通りで本当に美味しかった。しっとり濃厚で丁寧に作られていることが分かった。同じようなタイプのチーズケーキで、作りが粗いなと思ったことがは何度もあって、自分の舌がこれは大切につくられたチーズケーキだと言っている気がした。

 

 

こうして思い通りにいかない前半をなんとか後半で巻き返して2日目を終えた。いよいよ念願の軍艦島である。

 

 

〜つづく〜

 

 

 

 

 

広いホテルの部屋

 

 

 

 

nagasaki vol.3

2019-03-22 Fri 23:05

 

稲佐山はアクセスが悪い。

 

 

ロープウェイ乗り場まではバスで行くか、路面電車の駅から15分ほど歩くことになる。ボクは後者を選択したわけだが、雨が次第に強くなり、乗り場まで特にこれといった見どころのないエリアだったため歩き疲れた。やっとの思いで付近に到着し、坂を登っていたら、近くにいた警備員から悪天候のためロープウェイが運休していることを知らされた。しかも車を持っていない限り展望台へ上がる手段はないとのこと。

 

 

楽しみにしていた夜景を見れないショックに加えて、同じ道のりを歩いて帰るのがすごく嫌だった。またプランを考え直さなければならない。出島に行くかミュージアムに行くか。でも疲れてしまったので何か食べたい。が、何か食べている間に閉まってしまうかもしれない。翌日は早朝から軍艦島ツアーがあるし、体力と時間に余裕を持っておかなければならない。こんなことならもっと早く佐世保を出発すればよかった、などの思いが頭をよぎる。

 

 

疲れてしまった時は何か食べるしかない。全てを見ることは諦めて、絶対に見たいものを優先するしかない。そう考えて新地中華街に向かった。皿うどんを食べるためだ。

 

 

横浜や神戸のような中華街を想像していたが、長崎の中華街はもっとずっと小さかった。30店くらいしかないのではないかと思う。ネットで見つけた地元っ子おすすめの店に行った。

 

 

皿うどんには細麺と太麺がある。多くの人がイメージするパリパリの麺は細麺だ。蘇州林という店の細麺を食べたのだが、具が大きくて、見た目はボリュームがあるにも関わらずあっという間に食べてしまった。よく歩いたせいだろう。これは美味かった。

 

 

さて、腹は満たされたがどうするか。夜景がダメになってしまったので、出島のライトアップを見に行くことにした。近くにはオシャレなカフェなどがあるエリアもあるらしい。

 

 

ところが行ってみると出島は入場に500円かかる上、資料館しか開いていなくて他の店舗は閉店しているという。諦めて出島ワーフというオシャレ飲食店エリアへ行く。そしてさらにやられた。雨でほとんど人がいない。店自体がやっていないところもあった。

 

 

かなり痛い。2日目の夜が悉く台無しになってしまう。このままでは終われないという思いから必死に次のスポットを探す。そして、稲佐山とは別の展望台を目指すことに決めた。

 

 

そこは鍋冠山(なべかんむりやま)といって、稲佐山に次ぐ夜景スポットとのことだった。世界新三大夜景に選ばれるだけあって、長崎にはいくつかの夜景スポットがあり、地元民は落ち着いて見れるところに行くようだった。

 

 

グラバースカイロードという斜めに上がるエレベーターに乗り、一番上まで上がる。さらに別のエレベーターに乗り、これも最上階まで上がる。そこから歩きで頂上の展望台にあるのが鍋冠山だ。

 

 

何しろ即席で思いついたアイディアなので、情報が少ない。標識を見ながら山を登るうちに、誰もいない暗い山道をたった1人で登ることになってしまった。しかも道を照らすライトとGPSでどんどんスマホのバッテリーが減っていく。

 

 

ああ、これはバッテリーがなくなったらヤバイことになるなと思った。途中で不審者にでも遭遇したら数ヶ月は見つからなさそうだった。

 

 

漸く展望台の灯りが見えてきたところでさらに傾斜がきつくなる。地面が濡れているため足元が滑る。

 

 

「もう最悪だ」

 

 

と声を出しそうになった。声を出すのをやめたのは、木々の間から「何が?」と聞こえてきたら嫌だったからだ。言葉を飲み込んで歩き続けた。この努力が報われなかったら、今回の旅は悪い印象になってしまう気がした。

 

 

〜つづく〜

 

 

新地中華街。人が少ない。

 

 

出島ワーフ。とにかく人がいない。

 

グラバースカイロード

 

 

 

 

nagasaki vol.2

2019-03-21 Thu 05:54

 

2日目は朝から雨。

 

 

半日は佐世保で過ごし、移動して残りは長崎市内で過ごすプラン。佐世保ではまず名物のバーガーを食べなければならない。

 

 

実は佐世保バーガーにはこれといった味や具の定義があるわけではなく、注文を受けてから手づくりするバーガーをそう呼ぶらしい。ネットで調べて有名な2店舗を両方食べてやろうと駅前を歩いた。

 

 

食べた感想だが、その2店舗についてはボクはそれほど好きではなかった。ソースが甘いのが好きになれず、個人的にはもっと肉汁が出てくるようなステーキに近いパティのものが好きだ。

 

 

その後モールの雑貨屋を覗いたりして散策を終えた。雨のせいかちょっと港が寂しかった。

 

 

長崎市内へはバスで1時間ほど。バスの中で佐世保豆乳を飲んでいたら、同乗していた地元のカメラマンに変な目で見られた。しまいにはレンズの焦点を当てられた。名物だと聞いていたのに豆乳を飲む男がそんなに珍しかったのだろうか。

 

 

長崎駅について荷物を置きにホテルへ直行。路面電車の観光通駅の近くで立派なホテルだった。やはりホテルがたくさんある所は相場が安くていいホテルがある。デスクにサンプラーやらマックを置いても十分なスペースがあった。フルセット持ってきてストリーミングライブでもやればよかったと思った。

 

 

ホテルで一息つくともう夕方。長崎市内でやりたいことを見直してみると意外に多く、時間が厳しいことが分かった。急いで原爆資料館へと向かい、平和公園など関連施設を回ってから稲佐山の夜景を攻めることにした。

 

 

原爆資料館は、デジタル技術を用いて原爆投下時の様子を市街地の模型に映し出した展示があったり、ファットマンの実物大の模型や旧浦上天主堂の模型など、技術を結集してリアリティを再現した展示が多かった。実は長崎は第二候補で、本命の小倉が焼夷弾の煙で投下できなかったため、長崎になったという。昔聞いたかもしれないが、リアリティを伴って思い出した。アメリカがというよりは、真実を知って欲しい、忘れないで欲しい、という姿勢に強く心を打たれた。

 

 

その後爆心地公園や平和公園を見て回った。浦上教会へは行けなかったが、平和公園から見る教会がきれいだった。

 

 

〜つづく〜

 

 

佐世保港

 

 

平和公園から浦上教会を眺める

 

 

 

 

nagasaki vol.1

2019-03-17 Sun 03:14

 

一番インスピレーションを得られる場所はどこだろうと考えたら、長崎が真っ先に浮かんだ。

 

 

北海道と関西は毎年行っているので、それ以外で歴史と文化が充実した街、しかも都会すぎない場所。長崎はそれらを満たす場所だ。しかも軍艦島はyoutubeで見漁るほど憧れの場所だった。佐世保のハンバーガーや長崎市内の教会などにも興味があった。

 

 

朝早く出発する飛行機で福岡へ飛ぶ。博多駅からハウステンボスへ。一人旅にもかかわらず、1日目はハウステンボスを攻めることに決めた。

 

 

広大な敷地に西洋建築が並ぶ。中のアトラクションやお店はテーマパークそのものだが、ガチャガチャした様子はない。驚いたのはVRやプロジェクションマッピングが充実していること。お化け屋敷もジェットコースターもVRゴーグルだ。プロジェクションマッピングで川の向こうの建物に画面を映し出した巨大なインベーダーゲームなどもやっていた。

 

一人でよくアトラクションに乗ったなと思われるだろうが、チケットが1dayパスしかないので乗らないと損なのだ。ハーネスをつけて長いジップラインもやってみた。高台から一気に滑り降りて風が気持ちよかった。

 

 

パーク内のミュージアムではミュシャ展をやっていた。500点ほど集まっていて、世界最多数のミュシャ展だった。しかも人が少なく、ゆったりと見えた。展示室にボクしかいない時間もあったくらいだ。

 

 

夜になると有名なイルミネーションとパレードが始まり、昼間何もなかったエリアが実はLEDで埋め尽くされた夜景スポットだったことが分かった。確かに綺麗で圧巻だが、一人で見ていると切ない。仮面舞踏会というイベントもあったが、流れている音楽が70年代ディスコの曲ばかりで意味がよく分からなかった。

 

 

それでも閉園近くまで滞在し、佐世保に向かった。駅に着くと雨が降っていた。何も食べていなかったので、ホテル周辺で飲食店を探すも、あまり空いていない。少し離れたところに評判のいいラーメン屋があったので行ってみた。

 

 

他に店が空いていないせいか、店は大盛況だった。忙しそうに働いている若い店員の中、おばちゃん店員が丁寧に対応してくれた。佐世保名物ではないが、店のおすすめの高菜ラーメンを頼んだ。塩辛いが麺の食感がよく、九州に来たんだと実感した。

 

 

クラブに行ってみたかったが、雨が降っているので面倒くさくなってやめた。残り2日間も歩き回ることを考えると夜更かしはできないとも思った。明日は佐世保フードを満喫しなければならない。早起きしようと。

 

 

〜つづく〜

 

 

 

スリラーシティはマッド・シティ

 

ポルセレインミュージアムの伊万里焼

 

ミュシャ展

 

チューリップと試験管でつくられたオブジェ