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Seattle Vol.4

2019-09-06 Fri 02:15

 

7日目。

 

 

ポートランドからシアトルへは、ボルトバスという格安バスで戻ることにした。車で3時間の距離を20ドルだからかなり安い。

 

 

ホテルをチェックアウトして、バスの出発時刻までの間、ホウソーンというヴィンテージ雑貨やカフェが集まる地区を散策した。もっと密集した地域かと思ったら長い一本道で、店はポツポツとある感じだ。Googleマップを見ながら事前にチェックしていた店などを巡る。アメリカに来ると、日本ではあまりお目にかかれないメキシコ系の雑貨やカフェに出会う。とあるメキシコ系の雑貨屋の奥で、魔王が座るような大きな椅子に出会った。金額と配送問題がクリアできればぜひ買って帰りたかったが、値段は1,500ドル。往復の飛行機代より高い。遠く離れたちっぽけな島国に住んでいることを恨んだ。

 

 

予想外に散策に時間がかかったので、ランチもロクに食べれないままバスに乗ることになった。適当にテイクアウトを買って乗り込んだら、安いだけあって、怪しげな男が乗り込んでいた。途中トイレに行きたくなりバスの後方に行ったところ、扉が開かない。近くで2人分の座席に寝そべっていたその怪しい男が、何かブツブツ言いながら近づいてきた。どうやら「思いっきり引っ張れ」的なことを言っているのだが、そもそもドアのハンドルがない。

 

 

すると男はいきなりガンガン扉を叩き、しまいには蹴りだした。誰か入っているかもしれないし、使えないなら我慢するので問題ないんだが、何のお節介か、ものすごい勢いでトイレをガンガン叩く。ボクが「もういい」と言って座席に戻ったのに、男は運転席まで行って「おい、トイレが使えねえぞ!」的なことを怒鳴っている。いや、もういいんだが、と思いながら、関わらないことにした。

 

 

ラッシュアワーのシアトルの渋滞はひどい。1ブロック進むのに10分近くかかることもある。タイラーとまたビートメイキングをする約束だったので早く会いたかったんだが、全然思うように進まなかった。次の日は早朝に空港に向かわなければならないので、最後の夜はホテルに泊まることにして、チェックインを済ませてから急いでタイラーの家に向かう。

 

 

1週間も経つとバスでの移動にも慣れるもので、迷うことなく家に着いた。2人とも夜ご飯を食べていなかったので、メキシカンのレストランに行った。その後別の店でデザートも食べようということで、生クリームだらけのパイをテイクアウトした。そういえばタイラーはあまり酒を飲まず、普通に食後にデザートを食べるから、飲むことより食べることが好きなボクにとってはありがたかった。

 

 

その後はまたひたすらビートメイキング。メキシカンとパイでお腹いっぱいになり2人とも早々に眠くなったが、それでも3曲つくった。結局シアトルでは9曲をつくることができた。

 

 

ミックスはタイラーに任せ、Uberでホテルに戻ることにした。最後はタイラーとハグ。本当に良くしてくれた。去年初めて出会って、インスタで交流を続けていたものの、こっちは片言英語、そんな奴を家に迎えて約1週間一緒に曲をつくった。序盤は風邪も引いており、時差ボケで車に乗ってもうつらうつらしている。英語も思うように出て来ない。そんな外人をよく受け入れてくれたなと思う。

 

 

タイラーは来年はおそらくLAに移っているとのこと。今度はもう少し広い家に住む予定だと。来年LAに来るなら、また別の知り合いに紹介してやるから、ライブでもやろうと。この時点でもう来年の予定が確定してしまった。

 

 

LAはなんと言ってもビートメイカーの総本山だ。ボクは旅行しながら音楽を楽しみ、ビートメイキングの首都に乗り込むのだと考えたら、すごく充実した人生を送っている気がしてきた。日本では同じような毎日の繰り返しで、このまま何を成すこともなく歳をとって腐っていく気がしていた。だが、アメリカにいる間は、生きている実感が持てた。そしていつもより音楽が楽しかった。聴くことも演奏することも。

 

 

なぜこんなにも感覚が変わるのか不思議だ。日本だって十分アメリカナイズされた社会のはずなのに。感性の合う仲間がいる、ということもあるが、それぞれが自分のやりたいことを貫いていて、だからこそお互いの意思を尊重する、そんな社会だからかもしれない。

 

 

次回は最終回。今までアップしなかったフード系の写真など載せようと思う。

 

 

惚れた椅子

 

 

無事シアトルに帰還

 

 

つづく